本日のタイムセール

2015年10月23日金曜日

秘密―パレスチナから桜の国へ 母と私の28年

秘密―パレスチナから桜の国へ 母と私の28年

著者は「母」と「お母さん」という2つの単語を使い分けている。
母とは血のつながった母親の重信房子を指し、お母さんとは家族として生活をともにして幼い頃面倒を見てもらった日本赤軍の女性メンバーを指す。

 国際テロリストとして捕らえられた母が、英雄として尊敬されるアラブ諸国で著者は大人になった。
立場によっては正義が全く異なることを身をもって学んだわけだ。
房子の娘であるという「秘密」を抱えたまま28年間国籍すら持てなかったが、母の逮捕後日本国籍を取得して日本で生活している。

 本書では思想を超えた母娘の関係や、ジャーナリストを目指す立場から米同時多発テロ後の報道についての批判を述べている。
数奇な運命を背負った彼女にしか書けない1冊である。

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