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2016年7月18日月曜日

NNNドキュメント「食べて 吐いて ~塀の中の摂食障害~」

【見どころ】
「大切なことは痩せていることだけ」。そう話す女性受刑者は、刑務官に注意されたことに逆上し、目の前で吐いた。彼女が患う病は、食事のとり方が異常になる摂食障害。
北九州医療刑務所には、摂食障害の女性受刑者が次々に移されてきている。体形に異常にこだわり、食事を拒む摂食障害の受刑者たち。そんな受刑者の更生のために塀の中で行われる再犯防止プログラム。受刑者の姿から摂食障害が抱える根深さが明らかになっていく。

【内容】
「私にとって大切なことは痩せていることだけ」。体が骨と皮膚だけのようにやせ細った女性は、食べ物を食べられず、鼻に付けたチューブから栄養をとって命をつないでいます。
福岡県北九州市にある北九州医療刑務所には、今、全国から摂食障害の女性受刑者が移されてきます。
摂食障害とは、食事の取り方に異常が生じる精神疾患の一つで、食事を制限する拒食症や大量に食事をする過食症に大きく分けられます。
明確な治療法も確立されておらず、病状が重くなれば死に至る危険もあります。

20年以上摂食障害に苦しむ40代の女性受刑者は、万引きを繰り返し刑務所に入りました。
「週に2、3回コンビニで盗んできたパンやプリン、アイスなどを大量に食べては吐くことを繰り返していました。やめようと思ってもやめられませんでした」。
この女性のように、摂食障害の受刑者が刑務所に入る理由のほとんどが万引きです。
摂食障害の専門医である瀧井所長は、受刑者が万引きを繰り返してしまう理由をこう話します。「過食おう吐の人は大量に食べるので、その食費が高額になります。

どうせ吐いてしまう物にお金を使いたくないという理由で万引きをするのです」。
さらに、摂食障害の受刑者は社会に出たとしても、病気が治っていなければ、再び罪を犯す危険性も高いと言われています。    
そんな中、北九州医療刑務所では再犯を防ぐために、全国でも珍しい摂食障害の治療プログラムに取り組んでいます。
その内容は、自分自身の心と向き合うグループミーティング、カウンセリングや食事療法などです。
治療の中での受刑者の話から浮き彫りになるのは、複雑な家庭環境など誰にでも起こりうることが原因で摂食障害に陥り、抜け出せなくなっていく姿です。

「親に心配してもらうために痩せていたかった」。ある女性は摂食障害になった理由をそう話しました。家族がいるにも関わらず、家族はいないと話す受刑者は当初は一切食事を拒否し、刑務官の目の前で吐くなど反抗的な態度でした。
しかし、治療を受けることで少しずつ食事もとれるように回復していきます。

しかし、刑期という限られた中での治療には限界も見えてきました。
 全国の摂食障害の患者は推計2万6千人。しかし、病院に通っていなかったり、病気とさえ分かっていない患者も多く、その数は氷山の一角だと言われています。
社会で適切な治療を受けられず、刑務所に入ることになった摂食障害受刑者の実態に迫ります。

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